2023/12/20 斉藤鉄夫国交相/24年度予算案で鈴木俊一財務相と折衝、上下水道の一体管理支援

【建設工業新聞  12月 20日 1面記事掲載】

政府が近く決定する2024年度予算案の編成を巡り、鈴木俊一財務相と斉藤鉄夫国土交通相の大臣折衝が19日に行われた。国交省関係では、24年4月に厚生労働省から移管される上水道行政と国交省の下水道行政を一元的に運用し、効率化につなげる事業の創設が認められた。上下水道の一体的な事業計画の策定や官民連携、新技術の活用を支援する補助制度を立ち上げ、事業の効率化や基盤強化を進める。

人口減少によって、上・下水両事業に関わる職員や技術者が不足している。施設の老朽化や耐震化といった対応も求められる中、維持管理の効率化が喫緊の課題になっている。国交省は「上下水道一体効率化・基盤強化推進事業」と称して、上・下水の一元的な運用をサポートするさまざまな事業を展開していく。

具体的には、上下水道施設などの維持管理や修繕、更新を一体的に民間に委ねる「ウオーターPPP」の導入を支援する。点検から修繕、計画・設計といった一連のプロセスに民間のノウハウを取り入れることで、民間の参加意欲を高めるとともに、品質向上やコスト縮減につなげる。

さらなる業務の効率化に向けて、新技術の導入も促す。ポンプ設備の故障や劣化を探知するIoTセンサーを設置し、上下水道のデータを一括管理できる体制の構築などを検討。下水道分野の新技術検証を補助する「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」の水道版の創設も視野に入れる。

国交省は移管に向けた省内組織「水道整備・管理行政移管準備チーム」を5月に発足した。厚労、環境両省と連携しつつ、国交本省や地方整備局の適切な組織体制の確保に向け最終調整を進めている。水道事業者を対象とした説明会も開催し、移管にかかる手続きなどの情報を提供している。

折衝を終えた斉藤国交相は「これまで培ってきた社会資本整備や災害対応に関する専門的な能力や知見、層の厚い地方支分部局の体制を最大限に活用し、効率的、効果的な事業の推進に努めていきたい」と話した。

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