2023/12/08 国交省/建設発生土の最終搬出先確認24年6月から義務化、ストックヤード登録を

【建設工業新聞  12月 08日 1面記事掲載】

国土交通省は2024年6月1日から建設発生土の処理経路の確認を元請業者に義務付けるのを前に、仮置き場となるストックヤードの運営事業者の国への登録を一層促進する。同省は全国に1000カ所以上のストックヤードが存在すると見込んでいるが、12月1日時点の登録数は218事業者の計322カ所に過ぎない。元請には登録ストックヤードの利用で最終搬出先までの確認を不要とするインセンティブを用意。業務負担が軽減するとして、建設会社を通じた登録制度の積極的な周知を呼び掛ける。

21年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害に端を発した建設発生土の適正処理策の一環となる。資源有効利用促進法の省令改正で搬出先の盛土規制法の許可の事前確認と、搬出後の土砂受領書の確認を元請に義務付け、さらにストックヤードを経由した土砂の行き先も確認可能な仕組みを構築。ストックヤード業者を登録制とし、元請と同じように土砂受領書による確認など一定の責任を課す。

5月に登録制度を創設し、各地方整備局を窓口に申請受け付けを順次開始。登録手続きに1年の猶予期間を設け、24年6月からストックヤードに運び込まれた土砂でも最終搬出先までの確認を義務付ける。元請は登録業者から土砂受領書を受け取れば責任を果たせるが、未登録業者を利用する場合は工事単位で搬出先が追跡できるよう土砂の区分管理が必要になり過大な負担が生じる。

この半年で登録数は着実に伸びており、元請などの参考になるよう登録業者のリストを同省のホームページで公表している。ただ、都道府県単位で見ると▽群馬▽山梨▽長野▽鳥取▽徳島▽香川▽佐賀-の7県は登録者がゼロのままで、数件の登録にとどまる地域も多い。

未登録のままでは土砂の区分管理が必要となりストックヤードの運営にも支障を来しかねない。登録業者を利用すれば元請の負担が軽減することから、ストックヤード業者には搬出先として選ばれやすくなるメリットを周知している。

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