2023/08/29 技能労働者30代で年収頭打ち?、週休1日が半数占める/助太刀総研調べ

【建設工業新聞  8月 29日 3面記事掲載】

建設業界向けマッチングプラットフォーム「助太刀」を運営する助太刀(東京都新宿区、我妻陽一社長兼最高経営責任者〈CEO〉)の研究機関である助太刀総研(植村具民所長)が行った調査で、技能労働者の年収が年齢とともに十分に上昇していないことが分かった。過去1年で年収が上がった割合は年齢が上がるにつれて減少しており、「30代で収入が頭打ちになっている」(同総研)。休日数は週休1日(4週4休)以下が半数弱を占めた。

同総研が25日、産学官による「第4回建設DX推進と健全化に関する勉強会」を東京都内で開き、結果を報告した。助太刀アプリ登録者からランダムに選んだ400人が対象。調査期間は7月18日~8月3日。

過去1年の年収は「変わらない」(53%)、「下がった」(27%)、「上がった」(20%)の順に多かった。材料費高騰で年収が下がったという声が多数あった。「上がった」との回答を年代別で見ると、20代は35%だが、30代は19%、40代は21%、50代は16%、60代以上が11%だった。取引先の新規開拓や工事単価交渉により年収が上昇したケースがある。

休日数は、週休1日以下が49%と多く、週休2日(4週8休)以上は15%にとどまった。大規模工事に従事する回答者の方が休日を取得できている傾向にあった。週休2日に対する考え方では、62%が週休2日を希望した。2022年1月の前回調査(52%)よりも上昇しており、「稼ぎたいという話はあるが、考えも変わってきている」(同総研)という。「工期の見直し、単価の見直しを同時にしないといけない」といった声が寄せられた。

勉強会には、▽国土交通省▽建設業振興基金▽建設経済研究所▽京都大学▽立教大学▽鹿島▽竹中工務店▽きんでん-らが参加。来賓として自由民主党の津島淳国土交通部会長も出席した。植村所長は「調査結果を共有して未来の在り方を活発に議論したい」と述べた。今後、追加調査などを行い、来春にも研究結果を公表する。

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