2023/08/09 内閣官房/地方自治体の強靱化を一段と後押し、地域計画指針改定へ

【建設工業新聞  8月 9日 1面記事掲載】

内閣官房は地方自治体が取り組む強靱化対策を一段と後押しする。都道府県や市区町村が作成する「国土強靱化地域計画」の策定や見直しに関するガイドラインを今夏~秋に改定。新たなガイドラインでは対策の実効性向上を目指し、さまざまな主体との連携や協働を重視する。モデル自治体での取り組みなど先行的な好事例を反映し、都道府県や市区町村による地域計画の内容充実を促す。

関係府省庁は、地域計画に事業箇所など具体的な内容が位置付けられた事業に対し、交付金や補助金で重点化や優先採択を実施している。今月末に概算要求期限を迎える政府の2024年度予算でも重点化などを一段と進めたい考えだ。

内閣官房によると、22年度末時点で全ての都道府県と99%の市区町村が地域計画を策定済み。残り1%の市区町村で地域計画の策定を促すとともに、策定済みの計画も不断の検証や見直しにより、内容を充実させる必要があるという。

強靱な地域づくりを実効的に展開する上で、自治体内の各部局が縦割りを廃して連携することが欠かせない。自治体単体だけでなく、国や都道府県、ほかの自治体、地域住民や企業、NPO、ボランティアといったさまざまな主体と連携・協働することも肝要という。

内閣官房は22年度に栃木県佐野市と長野県伊那市をモデル自治体とし、組織内の各部局や住民、企業との連携強化による地域計画の見直し作業を推進。こうした好事例を踏まえ、新たなガイドラインを検討する。

関係府省庁の23年度予算を見ると、地域計画で具体内容が示された事業に対する重点化や優先採択などの支援を57の交付金や補助金で講じている。24年度以降もこうした事業への重点化などをさらに進める方針だ。

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