2023/06/15 国土強靱化基本法改正/参院議員・佐藤信秋氏に聞く、強靱な国土づくりの第一歩に
【建設工業新聞 6月 15日 2面記事掲載】
国土強靱化基本法の改正により、現行の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(2021~25年度)の後継となる「国土強靱化実施中期計画」の策定が法制化され、国土強靱化の歩みをしっかりと前に進めるための仕組みが整う。同法の制定から今回の改正まで立法化を主導してきた自民党の佐藤信秋参院議員は「強靱な国土づくりを営々と進めていくための本当の第一歩だ」と成果を強調。一方、実施中期計画の規模や期間は未定のため、どの程度確保できるかは「これからの戦いになる」と気を引き締める。=1面参照
大規模な自然災害が頻発する中、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」と5か年加速化対策によって、防災・減災効果が発揮された事例が出てきた。5か年加速化対策では老朽化対策も追加し、本来、国の補助事業などの対象とならない事業も支援できるようになった。佐藤氏は「こうした対策には法的根拠がなく、首長からは継続性を不安視する声が上がっていた」と法改正の背景を説明した。
公共投資に目を向けると、ここ数年は国の一般公共事業費(国費ベース)の2割程度を国土強靱化予算が占めている。データを基に、公共投資が民間投資を刺激し、「公共事業の国費の6・5倍が建設投資全体になる」と分析。建設投資と国内総生産(GDP)の相関性なども指摘し「建設産業だけではなく、ふるさとや日本全体を守るためにも、建設投資、それを支える強靱化対策は必要だ」と意義を強調した。
5か年加速化対策の予算が順調に措置されているため、最終年度を1年前倒しし、25年度に実施中期計画を開始する必要性も訴える。建設会社が人材雇用や設備投資を計画的に行うためには、事業予見性の確保が求められる。そのため、建設業界からは5か年加速化対策とその後継計画について、当初予算での措置を求める声が根強い。佐藤氏は強靱な国土づくりを計画的に推し進めるため「実施中期計画の初年度予算を25年度当初予算で確保する」ことを目指し、引き続き尽力する構えだ。
大規模災害がいつどこで起こっても不思議ではない厳しい現実を踏まえ、強靱な国土づくりを迅速に進めるためにも「(災害発生時に)『地域の守り手』として活躍するのは建設業だ。平時も地域で仕事をして支えてほしい」と建設業界が果たす役割に期待する。11年連続で公共工事設計労務単価が上昇していることにも触れ、事業を担う建設業界の人材確保・育成にも継続的に取り組んでいく方針を改めて示した。
大規模な自然災害が頻発する中、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」と5か年加速化対策によって、防災・減災効果が発揮された事例が出てきた。5か年加速化対策では老朽化対策も追加し、本来、国の補助事業などの対象とならない事業も支援できるようになった。佐藤氏は「こうした対策には法的根拠がなく、首長からは継続性を不安視する声が上がっていた」と法改正の背景を説明した。
公共投資に目を向けると、ここ数年は国の一般公共事業費(国費ベース)の2割程度を国土強靱化予算が占めている。データを基に、公共投資が民間投資を刺激し、「公共事業の国費の6・5倍が建設投資全体になる」と分析。建設投資と国内総生産(GDP)の相関性なども指摘し「建設産業だけではなく、ふるさとや日本全体を守るためにも、建設投資、それを支える強靱化対策は必要だ」と意義を強調した。
5か年加速化対策の予算が順調に措置されているため、最終年度を1年前倒しし、25年度に実施中期計画を開始する必要性も訴える。建設会社が人材雇用や設備投資を計画的に行うためには、事業予見性の確保が求められる。そのため、建設業界からは5か年加速化対策とその後継計画について、当初予算での措置を求める声が根強い。佐藤氏は強靱な国土づくりを計画的に推し進めるため「実施中期計画の初年度予算を25年度当初予算で確保する」ことを目指し、引き続き尽力する構えだ。
大規模災害がいつどこで起こっても不思議ではない厳しい現実を踏まえ、強靱な国土づくりを迅速に進めるためにも「(災害発生時に)『地域の守り手』として活躍するのは建設業だ。平時も地域で仕事をして支えてほしい」と建設業界が果たす役割に期待する。11年連続で公共工事設計労務単価が上昇していることにも触れ、事業を担う建設業界の人材確保・育成にも継続的に取り組んでいく方針を改めて示した。
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