2023/05/15 北海道/企業経営者賃上げ状況調査中間集計、建設業は8割以上が賃上げ実施

【建設工業新聞  5月 12日 8面記事掲載】

北海道は、道内企業経営者を対象とした賃上げ状況調査(4~6月期)の中間集計をまとめた。昨年から今年にかけて「賃上げを実施した」と回答した企業は全産業で75・8%。このうち建設業は84・2%と、産業別では製造業の85・9%に次いで高い割合となった。今後については、「今後も実施したい」との回答が建設業は6割以上を占め、4割前後にとどまる他産業より前向きな企業が多くなっている。

道が四半期ごとに実施している企業経営者意識調査の特別調査として実施しているもので、賃上げ状況に関する調査は今回が初めて。4月5日~6月30日の回答期間で900社(うち建設業は125社)を対象に実施し、4月14日までに回答があった417社分(76社)を集計した。

全産業で「賃上げを実施した」と回答した企業を規模別でみると、資本金1億円以上が93・3%、昨年から今年にかけて「賃上げを実施した」と回答した企業は5000万円以上1億円未満が84・5%、5000万円未満が69・2%と規模が大きいほど高くなっている。

賃上げの理由は「定期昇給」が68・7%、「ベースアップ」が46・8%、「賞与支給・支給額引き上げ」が24・1%など。実施した理由は「従業員の確保・定着」と「従業員の生活安定の確保」がそれぞれ68・7%、「従業員のモチベーション向上」が67・1%などとなっている。

反対に実施しなかった理由は「自社の業績が低迷し賃上げの余裕がない」が48・5%、「コスト増加分の価格転嫁が進まず賃上げの余裕がない」が36・6%、「雇用の維持を優先」が32・7%などとなった。

賃上げ率は「1%以上2%未満」29・4%で最も高く、「2%以上3%未満」が26・3%、「3%以上4%未満」が18・7%、「5%以上」が9・2%など。このうち建設業は「1%以上2%未満」と「2%以上3%未満」が28・1%で並び、「3%以上4%未満」が25・0%、「5%以上」が12・5%で続く。

今後の賃上げ意向については、全産業では「今後も実施したい」が39・3%、「環境が整ったら実施したい」が41・0%、「当面は実施しない」が9・1%など。建設業では「今後も実施したい」が60・5%と、2番目に高い製造業(40・7%)を20ポイント近く離し、「環境が整ったら実施したい」の28・9%と合わせて9割近い企業が前向きな姿勢を見せている。

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