2023/02/20 国交省/電動建機で認定制度23年度創設、動力源の転換後押し

【建設工業新聞  2月 20日 1面記事掲載】

国土交通省は電動式の建設機械の認定制度を2023年度に創設する。建設施工分野のカーボンニュートラル(CN)実現に向け、二酸化炭素(CO2)排出量が少ない方式に動力源を転換した建機の開発や普及を後押しする。電動式以外の革新的な建機に認定対象を将来拡大することを視野に入れ、制度名称を「GX(グリーントランスフォーメーション)建機」とする方向。公共調達で導入した際のインセンティブ措置も合わせて検討する。

学識者や関係団体で構成する「建設施工の地球温暖化対策検討分科会」の会合を16日に開き、制度創設への議論を開始した。以前から取り組む燃費性能の向上やICT施工による作業効率化に加え、抜本的な動力源の見直しに踏み出す。

当面は国内メーカーによる開発・試作が進展し、欧州や国内の市場で導入が始まっている電動式に認定対象を限定する。市場性が見込まれる油圧ショベルとホイールローダーの2機種で認定する。将来的には燃料電池や水素エンジンを用いた建機を認定対象に追加することを検討。バイオマス燃料や再生可能エネルギー由来の合成燃料は、従来建機の代替燃料としての使用も想定されるため対象外とする見通しだ。

建機メーカー各社の開発を促すため、まずは暫定的な形で早期に認定制度を立ち上げる。会合では申請側のハードルを下げるためにも、認定に必要な電力消費量などの基準値を設定せずにスタートすることで合意した。いずれは基準値を設けた恒久的な規定に移行する2段階の制度構築を想定。メーカー各社の意見を聞きながら基準値の検討に取り掛かる目安の時期をあらかじめ定め、制度恒久化までの道筋を明確にする。

会合の冒頭、佐藤寿延官房技術審議官は「(電動化や水素活用は)生産性を高める意味でも大きな効果が出てくる。騒音規制がある市街地でも施工しやすくなるなど、さまざまな可能性を秘めている」と期待した。

23年度にかけて複数回の会合で暫定規定の内容を詰め、同時並行で現場実証による適応性の確認や公共調達でのインセンティブの在り方を検討する。

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