2022/06/22 国土交通省 中央建設業審議会にて、2023年1月改正経審 CCUS、WLB加点等提示、建設工事標準請負契約約款改正等を審議。

2022年6月21日(火)国土交通省 中央建設業審議会が開催され、2023年1月に改正が予定される経営事項審査についての報告
建設発生土の搬出先の明確化のための対応を含んだ建設工事標準請負契約約款改正等が審議されました。

冒頭、国土交通省 建設・不動産経済局 長橋和久局長より
「原油価格・物価高騰等総合緊急対策が政府として取りまとめられた。これをふまえて建設業における適正な請負代金の設定、適正な工期の確保等に向けて一層取り組んでいきたい。
今回の価格高騰のような予想もできないリスク発生に対しては事後的なスライド条項での対応をお願いしているが、請負契約の中でリスク分担の考え方を決めておくとかも必要ではないか。
今、業界をあげて賃上げ、働き方改革に取り組んでいる中で、その前提となる契約の有り方についても今後中建審の中でもそれぞれの立場からご意見をいただきたい。
今回は盛土規制法の施行とあわせて実施が求められている建設発生土の搬出先の明確化のための標準請負約款の改正についてご審議をいただきたい。」とお話しがありました。

国土交通省 建設・不動産経済局 長橋和久局長


1.2023年1月予定 経営事項審査の改正

2021年10月14日、2022年3月14日に開催された中央建設業審議会においても改正に関して案が示されましたが、CCUSが加点対象となる工事、公布時期、適用時期等について示されました。


①CCUSの経審での加点
3月14日 中建審においては『全ての建設工事(元請工事に限る)又は全ての公共工事(元請工事に限る)に対して、CCUS上での現場登録及びカードリーダー設置等の 就業履歴を蓄積する為に必要な措置を講じること』を加点要件として示されましたが、 今回は「①極めて工期が短く、施工体制の登録に必要な時間的猶予がない少額工事②緊急性を要する災害応急工事等において、カードリーダーの設置等就業履歴蓄積のために必要な措置を実施することは、過度な負担を強いる懸念があるため、 審査対象外として取り扱うこととする。」とされました。




審査対象外とする建設工事
1)建設業法上 許可不要となる軽微な工事 ・・ 工事1件の請負代金の額が500万円(建築一式は1,500万円)に満たない工事
                               建築一式のうち面積が150m2に満たない木造住宅を建設する工事

2)災害応急対策等に関する工事 ・・ 発生直後の応急対策であって、災害協定に基づく契約又は発注者の指示により実施された工事


CCUSでの加点は、公布の日(令和4年8月予定)以降に開始する事業年度から審査対象の期間として運用する。
(仮に、令和5年1月の施行予定日以降の審査より直ちに新基準を適用とした場合、令和3年度中から加点要件を満たしておく必要があるため)


②WLB(ワークライフバランス)の経審での加点
4月から開始された新たな認定制度の「トライくるみん」認定を加点要件として追加し、 審査基準日における各認定の取得をもって加点する。




②CCUS加点の適用時期等について
1)現行のその他審査項目(社会性等)の評点


2) 施行日(令和5年1月)以降、くるみん、えるぼし等の「WLBに関する取組」が追加されるものの、 評点は最大5点であり、P点に占めるウェイトの増加は軽微であるため、現行の算式を維持する。

3) 「CCUSの導入状況」による審査が追加されると、P点に占めるW点のウェイトが大きく増加するため、 各項目間のバランスを維持するべく、係数を以下のように変更する。




④経審改正の概観



2.建設工事標準請負契約約款改正

建設発生土の搬出先の明確化に関して、
・指定利用等の徹底
・建設発生土の計画制度の強化
が挙げられ、実現のための法制度を整備していくことについて示されました。



対応の方向性として以下が挙げられました。
・公共工事標準請負契約約款にて契約書添付書類において、仕様書に建設発生土の搬出先を定めることを標準としてはどうか
・民間建設工事標準請負契約約款にて、仕様書に建設発生土の搬出先を定めることが望ましく、それが困難な場合でも、 受注者による適正処理の確認が求められることを明確化してはどうか。
・公共約款、民間約款において、再生資源利用促進計画及び実施書の発注者への説明・報告が必要であることを明確化 してはどうか。



3.建設業を巡る最近の状況

①資材等高騰対策
②建設キャリアアップシステム
③技術者制度見直し

について現状と課題が報告されました。

参加された委員からは 資材等高騰での影響や、 働き方改革への取組等、現場の現状をふまえた意見・要望等が挙げられました。

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