2022/01/07 国交省ら/賃上げ表明で総合評価加点/配点割合の5%以上加算、4月から政府調達で

【建設工業新聞  1月 7日 1面記事掲載】

賃上げを積極的に行う企業を調達で優遇する政府方針を踏まえ、国土交通省は総合評価方式を活用したすべての発注案件で新たな加点措置を導入する。一定水準の賃金引き上げで従業員と合意したことを示す「表明書」を提出した入札参加者を加点する。配点割合は加算点・技術点の合計の5%以上に設定。例えば40点満点の場合、表明書提出による加点は3点(合計の約7%)とする。4月1日以降の契約案件に適用する。

賃上げを行う企業を優遇する調達手法の見直しは、政府の「新しい資本主義実現会議」が昨年11月にまとめた緊急提言に盛り込まれた。財務省が総合評価方式で賃上げ実施企業の加算点や技術点を上乗せする方針を固め、昨年12月17日付で各省庁に対応を要請する文書を送付。新たな加点措置は、国が行う調達全般を対象に国交省をはじめ各省庁が足並みをそろえる形で行われる。

国交省は各地方整備局などに加点措置の実施要領などを既に周知した。賃金引き上げの表明書は入札参加者が希望に応じ提出できる。契約時点の事業年度単位か暦年単位で賃上げの目標値を記載してもらい、大企業なら1人当たりの平均受給額を前年度比3%増、中小企業なら給与総額を1・5%上回る額とした場合に加点を認める。JVとして加点を受けるには構成員の表明書が必要になる。

賃上げ目標を実際に達成できたかどうかは、▽法人事業概況説明書▽税務申告の作成書類▽給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表-のいずれかを落札者から提出してもらい確かめる。未達成だった落札者の情報は財務省に集約し、同省から通知があった日から1年間に入札公告が行われる国の総合評価方式を活用した調達のすべてで減点する。

表明書提出による加点割合よりも大きな割合で減点することとし、例えば賃上げ表明で3点が加点される案件ではペナルティーとして4点を減点する。

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