2021/11/08 国交省/インフラ分野のDX推進へ/21年度末に行動計画策定

【建設工業新聞  11月 8日 1面記事掲載】

国土交通省はインフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けたアクションプランを年度末に策定する。各部局で取り組む主要施策を記載するとともに、短期・中長期の目標や将来的に目指す姿を示す工程表を作成する。

省内関係部署で構成する「国土交通省インフラ分野のDX推進本部」(本部長・吉岡幹夫技監)の第4回会合を5日にオンライン形式で開催。この中で吉岡技監は「国民目線や利用者目線を意識し、働き方改革や生産性向上の観点で中長期的な方向性をはっきりさせる」よう指示した。

年度末の次回会合までに主要施策の内容などを詰める。今回の会合では各部局が主要施策の進捗(しんちょく)状況を報告。「手続きなどいつでもどこでも気軽にアクセス」「コミュニケーションをよりリアルに」「現場にいかなくても現場管理が可能に」「インフラ分野のDXを支える仕組みや基盤の整備」の四つの視点で施策効果を整理した。

行政手続き関係では、特殊車両の通行許可手続きを即時処理するシステムを構築し来年4月に実用化する。港湾関連の施設利用手続きやインフラ情報を電子化し効率的なアセットマネジメントにつなげる。建設業許可・経営事項審査(経審)の電子申請システムの運用も予定している。

デジタル技術でコミュニケーションツールを工夫する試みも進める。ハザードマップの3D化や洪水予測の高度化を推進。官庁営繕事業では設計段階の合意形成の円滑化などに向けBIMを活用する。

現場管理関係では、画像・映像解析技術を活用した鉄筋出来形計測の現場適用を目指す。建設機械の自動化・自律化に向けたロードマップや技術基準を整備。人工衛星と水中音波の測位技術を組み合わせた水中施工機械の遠隔操作・自動化システムを開発する。

BIM/CIMモデルなどの3Dデータを一元的に保管・共有する「DXデータセンター」など各分野の情報基盤の整備動向も説明した。

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