2021/07/30 日本公庫/4~6月の信用保証利用企業動向調査結果/建設業の資金繰り、順調に回復

【建設工業新聞  7月 30日 2面記事掲載】

日本政策金融公庫(日本公庫)は29日、信用保証利用企業動向調査の2021年4~6月期実績を公表した。全産業の資金繰り指数(DI値=「好転」と「悪化」の回答割合の差、季節調整値)は1~3月期に比べ5・5ポイント上昇し「マイナス19・1」となり、マイナス幅が縮小。建設業は▽20年10~12月期=マイナス25・6▽21年1~3月期=マイナス18・6▽4~6月期=マイナス16・2-と推移し、順調に回復してきている。ただ7~9月期の予測値はマイナス19・5で、再び悪化するとの見方が出ている。

調査対象は、北海道、宮城、東京、愛知、石川、大阪、広島、香川、福岡の各信用保証協会の保証先企業1万6000社。35・8%の5721社から有効回答を得た。建設業は4361社を対象に調査し、33・1%に当たる1444社の回答を集計した。6月中旬時点の状況になる。

建設業の資金借入難易感DI値(「容易になった」と「難しくなった」の差)は、▽20年10~12月期=0・4▽21年1~3月期=マイナス1・1▽4~6月期=マイナス3・8-とマイナス幅がやや拡大し、難しくなったと感じる企業が増えてきた。

借り入れを実施した建設業の割合は、▽20年10~12月期=29・0%▽21年1~3月期=29・6%▽4~6月期=20・7%-と減少。一方、借入金の平均額は20年10~12月期=3325万円▽21年1~3月期=3365万円▽4~6月期=3369万円-とほぼ横ばいで推移している。借入金の大部分となる89・9%を運転資金に充てている。

新型コロナウイルスの影響と金融支援の利用状況も特別に調査。建設業で「影響あり」と回答した企業は52・2%だった。4~6月期に金融支援を「利用した」と答えた建設業は26・0%あった。

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