2021/03/25 利根沼田テクノアカデミー/外国人実習生の技能検定/21年度から事前講習開始

【建設工業新聞  3月 25日 2面記事掲載】

建設業の職業訓練を行っている利根沼田テクノアカデミー(群馬県沼田市)は、外国人技能実習生が受ける技能検定の事前講習を2021年度に始める。群馬県建設業協会(青柳剛会長)と連携した取り組み。在留資格の延長に必要な受検を支援し、技能実習生の継続した就労環境を整えるとともに、建設会社の担い手確保に貢献する。板金、瓦、大工、水道設備、左官の5種の基礎級と3級を対象に実技や座学の講習を行う。

外国人技能実習生に技能検定の事前講習を行う機関は珍しい。板金、瓦、大工、水道設備の事前講習は、3級が実技4日・座学1日、基礎級が実技2日、左官は3級が実技2日、基礎級は実技4日・座学1日のスケジュールを予定。各講習とも月1回、午前9時~午後5時に行う。最寄り駅から送迎し、宿泊先を紹介する。

3級であれば、内外装板金や建築配管といった試験の課題のポイントを動画の教材などを用いて紹介する。「外国人実習生の育成を支援し、戦力となる人材の確保につなげたい」と利根沼田テクノアカデミーの桑原敏彦校長。角材の加工など求められた課題の精度を高めたり、見栄えを整えたりできるようにする。

外国人技能実習制度は修了時、試験に合格すると在留期間が延長され条件付きで永住権を取得できる。19年度に群馬県は建築板金など5種で認定された技能実習計画が223件あり、群馬近郊の11都県では計4973件になる。20年11月25日時点で実習生の受け入れを担う群馬県の一般監理団体は27者、特定監理団体は41者ある。事前講習のニーズは高いと見て、事前講習を行うことにした。

群馬建協は利根沼田テクノアカデミーの活動をサポートとしており、青柳会長は「人材確保育成の旗がしっかりと根を張っている」と話す。会員企業は外国人材が増えている状況にあり、「テクノアカデミーと連携した手作りの職人育成塾によって業界の発展を目指す」方針だ。

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