2020/10/15 清水建設、シャープ/3眼カメラ使う配筋検査システムが国交省直轄工事に初採用

【建設工業新聞  10月 15日 1面記事掲載】

清水建設とシャープが共同開発した「3眼カメラ配筋検査システム」が、国土交通省の直轄工事で初採用された。東北地方整備局発注の道路橋上部工工事に導入し、橋面躯体工の段階確認検査で所定の検査性能と省人化効果を発揮。システムの有用性などが認められ、同局発注の別工事への採用が内定している。

同システムは3眼カメラとシステム制御ソフトで構成。三つのカメラで異なる方向から同時撮影し、三角測量の原理を応用して画像データの3D情報を把握する。制御ソフトは画像から鉄筋を抽出した上で、縦・横方向の鉄筋径や配筋の平均間隔、本数、重ね継ぎ手の長さ、かぶり(コンクリート厚)を計測し、検査帳票まで自動作成できる。

精度は鉄筋径でプラスマイナス1ミリ、配筋の平均間隔でプラスマイナス5ミリと工事管理基準内に収まる。2段配筋などの複雑な配筋検査にも対応可能。配筋検査に要する人員、時間がそれぞれ3分の1以下に抑えられる。

初弾の件名は東北中央自動車道東根川橋上部工工事。建設地は福島県伊達市保原町富沢地内。構造は3径間連続PCラーメン箱桁橋で、橋長は236メートル(最大支間長110メートル)。設計は東京コンサルタンツ、清水建設が施工している。工期は2018年12月~20年12月。

同工事では約10日サイクルで施工が進み、配筋検査の機会が多くなることから、同システムを採用し施工の合理化を図ることにした。

続く導入予定は岩手県内の国道45号線新思惟大橋上部工工事。橋長394メートル(最大支間長150メートル)の4径間連続PCラーメン箱桁橋。設計はパシフィックコンサルタンツ、大日本コンサルタント、清水建設が、施工は同社が担当している。工期は21年2月まで。

今回の採用実績を踏まえ、発注者への提案活動を強化し、全国の土木現場に水平展開していく。

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