2020/05/11 4月の建設業景況感、急速に悪化/過去最大の下落幅/帝国データ

【建設工業新聞  5月 11日 1面記事掲載】

民間調査会社の帝国データバンクの調査で、建設業の景況感が急速に悪化している現状が浮き彫りになった。建設業を対象にした4月の景気指標DI(50を境に上が「良い」、下が「悪い」)は、前月に比べ7・6ポイント減の33・9だった。5カ月連続して前月を割り込んだだけでなく、過去最大の下落幅を記録した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が企業活動に大きな影響を及ぼし、設備投資の減速懸念も高まっている。同社は5月以降、景況感がさらに落ち込む可能性があると分析している。

住宅着工戸数が減少傾向な上に、新型コロナの影響で住宅設備機器といった資材納入の遅れが顕在化し、施工に悪影響が出ている。政府の緊急事態宣言を受けてゼネコン各社が工事中断に踏み切り、下請企業にも影響を及ぼしていると同社は見ている。景気指標DIは他産業に比べ高いものの、4月の実績は8年3カ月ぶり低水準だった。

景況感が「悪い」とする企業の割合は64・1%で、1月の28・4%と比べて急増している。「先行きへの不透明感から施主が設備投資を控えている」「計画が止まった現場が多くなってきた」との声も上がっている。

すべての業界で景況感は悪化しており、景気の先行きや資金枯渇への危機感が高まっているという。同社は「コロナが収束してからも設備投資に回るのは後回しになる。建設業はこれからさらに降下するイメージを持っている」と指摘している。

同調査の対象は全国の2万3672社で、有効回答は1万1961社(回答率50・5%)。建設業の回答数は1943社。調査時期は4月16~30日。

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