2010/12/21 馬淵澄夫国交相/建設業の抜本的再生に意欲/日建連ら4団体会長と懇談

【建設工業新聞 12月 21日 記事掲載】

 馬淵澄夫国土交通相は20日、東京都内のホテルで日本建設業団体連合会(日建連)の野村哲也会長ら4団体の会長と懇談し、建設産業の再生方策について意見交換した。日建連などによると、馬淵国交相は、低成長・マイナス成長の状況では、入札契約制度による対応では業界の課題の解決に至らないとの見解を示し、抜本的な対策を講じる考えを示した。17日に初会合を開いた同省の有識者会議「建設産業戦略会議」で具体案を早急に打ち出し、来年3月に中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)を開いて実行に移していく方針も表明した。ゼネコンの海外展開支援で、契約段階からセーフティーネットを設ける方策を探る考えも明らかにした。
 
 
 懇談にはこのほか、国交省から池口修次副大臣、市村浩一郎政務官、業界側から日本土木工業協会(土工協)の中村満義会長、建築業協会(BCS)の山内隆司会長、海外建設協会(海建協)の竹中統一会長らが出席した。馬淵国交相は、建設産業戦略会議での検討について、「地方ゼネコンの再生に特段心を砕かなければならない。右肩上がりので護送船団方式でばらまきをして救うのではなく、建設産業の再生について、逃げずに一緒に議論したい」と述べた。
 
 
 さらに「低成長・マイナス成長時代には、入札制度の改善程度では解決が困難だ。負の再分配は市場任せでは済まない。大手から中小に至る(建設産業の)あり方を、本腰を入れて検討する必要がある」と指摘。大手ゼネコンや地域建設業だけではなく、準大手や中堅クラスの建設業も含めた全般について問題意識を持っていることを明らかにし、日建連などに「高い見地から知恵を出してほしい」と求めた。
 
 
 国土交通行政への取り組み姿勢については、「真ん中にある建設産業、公共事業、社会資本整備が、成長戦略の中で取り残されることのないよう、そのあり方を将来に向けて提示すること使命だ」と語った。建設業の海外展開支援に関しては、「カントリーリスクをすべて民間に委ねてよいのかと思っている」との問題認識を示した。

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