2010/10/28 国交省/中小経営支援策を拡充へ/補正予算案に47億円計上

【建設工業新聞 10月 28日 記事掲載】

 国土交通省は、26日に閣議決定した10年度補正予算案の国会審議が近く始まることから、予算案に盛り込んだ中小建設業者に対する経営支援策の実施に向けた準備作業に入る。現行の下請債権保全支援事業の拡充など資金繰り支援と、新分野で事業活動を行う企業への支援の二つが取り組みの柱。下請債権保全支援事業については、ファクタリング(売掛債権買い取り)会社を対象に拡充内容の説明を開始。予算が成立すれば年明けから新たな内容で運用する。新規事業活動支援では支援条件などを詰め、来年2月にも公募を開始する予定だ。補正予算案には、中小企業対策として資金繰り支援と新規の事業活動への支援に合計47億円を計上した。
 
 
 資金繰り支援策は、▽下請債権保全支援事業の拡充・延長▽支払いボンドなど本格的な下請債権保全策の導入支援▽地域建設業経営強化融資制度の拡充・延長-の3点。補正予算案では約35・6億円(下請債権保全事業32・4億円、地域建設業経営強化融資制度3・2億円)を充てることになっている。このうち下請債権保全支援事業は、下請建設業者などが元請業者に対して持つ手形や売掛債権について、ファクタリング会社が支払い保証する際に国が保証料を助成する仕組みで、国交省は今年3月に運用をスタートさせた。
 
 
 現行制度では、保証額が確定した時点(元請から手形が振り出された段階など)で保証の申し込みができるとしているが、今回の補正予算が成立すれば、下請契約の締結時にも保証の申し込みが行えるよう条件を緩和する。さらに限度枠の範囲内で未払い部分を保全する保証限度枠方式も導入する。国交省は年内に、新たな運用形態について売掛債権を買い取るファクタリング会社(現在10社)に説明し、事業の実施要綱も作成。年明け後のスムーズな運用開始を目指す。
 
 
 新規の事業活動への支援については、地域の建設業者が建設関連分野(維持管理、環境、耐震など)で新市場を開拓する取り組みを支援する。補正予算案には11億円を計上している。国交省は年内に、設定する支援条件(技能者雇用など)などを固め、年明けから全国10の地域ブロックごとに説明会を開く予定。2月をめどに公募を始める見通しだ。

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