2010/10/21 日建連・野村哲也会長が会見/国民が望む社会資本整備、建設業の視点から提案へ

【建設工業新聞 10月 21日 記事掲載】

 日本建設業団体連合会(日建連)の野村哲也会長は20日の理事会後の記者会見で、社会の利便性が高まり、国民からみて望ましい社会資本の整備などに関する提言を検討していく方針を表明した。野村会長は、「内需も輸出もバランス良くならないと(日本経済は)成り立たない」と指摘し、そのために「日建連として提言や提案をしていく」と語った。提言をまとめる時期は未定としたが、国民がぜひともやってほしいと望むような取り組みや、発注者や国民が重要性に気付いていないような取り組みについて、建設業界の立場から国土交通省などに提案したいとの考えを明らかにした。
 
 
 野村会長は、円高などの影響で製造業が海外に生産拠点を移動させる動きが進んでいることについて、「日本国内で物を作り、海外で売ることができるようにする政策が必要だ」と指摘。さらに、「輸出も輸入も内需もバランス良くやらないと成り立たない」と強調し、内需拡大ににつながるような取り組みが必要との認識を示した。その上で、「こういうものがあると非常に便利になる、交通が良くなるというような、お客さま(発注者)が気付かないものを提示したい」との考えを表明。同時に、「(利便性などが高まると)気付いていても、例えば効果の程度が10しかないと思われているものが、われわれからすると100の効果がある場合もある」と述べ、効果が高いと考えられる具体的な取り組みを建設業の視点からピックアップしていく方針を示した。
 
 
 同席した建築業協会(BCS)の山内隆司会長も、国内景気の現状について「実需の環境を変えないと、投資に結び付いていかない。今の状況からすると、加盟各社は従業員を絞り込まざるを得ない。まったくの悪循環だ」と指摘し、「下向きスパイラルを逆転させる必要があると、機会があるごとに政策立案者に訴えていかないといけない」と語った。
 
 
 政府が追加経済対策として検討している補正予算編成について野村会長は、歓迎する意向を示した上で、「政府は危機感を持って、即効性のある対策と新成長戦略を切れ目無く実行してほしい」と述べた。山内会長は「(補正予算を)できるだけ早く執行してもらい、それだけで効果が乏しければ、次の手を打つようにしてもらいたい」と語った。

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