2010/10/15 国交省/新経審、10月15日告示/完工高評点を底上げ、法的整理は60点減点

【建設工業新聞 10月 15日 記事掲載】

 国土交通省は、公共工事の入札に参加する建設業者に受審が義務付けられている経営事項審査(経審)の審査基準の改正内容を15日付の官報で告示する。建設投資の減少を踏まえて完成工事高(完工高、X1点)と元請完工高(Z2点)の評点テーブルの平均点を約700点に引き上げるほか、法的整理による再生企業に対しては、再生期間中、社会性等評点(W点)で一律60点の減点評価を行うようにする。新経審は来年4月1日から適用される。
 
 
 審査基準の改正事項は、▽完工高の評点テーブルの上方修正▽技術者に必要な雇用期間の明確化▽再生企業の減点措置▽W点の評価項目追加-の4点。ペーパーカンパニーによる不正な高得点の取得を防止するなど企業実態をより公正・適正に評価できるようにすることや、再生企業に対する批判、審査項目の充実といった多様なニーズに対応する仕組みに改めることが目的だ。
 
 
 完工高の評定テーブルについては、10年度の建設投資見込み額を基に算出したX1点(687・56点)とZ2点(608・59点)の予想平均点が制度設計時の700点を下回っていることから、X1点で約12点、Z2点で約91点引き上げて平均点を約700点に修正。各社がランク低下を避けるために無理な受注を重ねるのを防ぐ。ペーパーカンパニーが評点を上げることを目的に行う技術者の名義借りを防ぐため、評価対象となる技術者を、審査基準日以前の6カ月を超える恒常的雇用者に限定。継続雇用制度の対象者も評価対象に加えた。
 
 
 債権カットで地域の下請企業に負担を強いた法的整理による再生企業に対する減点措置も講じる。民事再生企業と会社更生企業を対象に、再生期間中(再生・更生手続きの開始決定日から終結決定日まで)はW点で一律60点(営業年数評価の最高点)の減点評価を行う。再生期間終了後は営業年数評価はゼロ年から再スタートする。任意整理などの企業は強制的な債権カットはできず、下請の同意を得て再建するため減点評価の対象外とした。11年4月1日以降に法的整理手続き開始の申し立てを行う企業から適用する。

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