2010/10/08 土工協・中村満義会長が会見/補正予算案への公共事業費追加を評価

【建設工業新聞 10月 8日 記事掲載】

 日本土木工業協会(土工協)の中村満義会長は、7日の理事会後の記者会見で、政府が検討している10年度補正予算案の柱の一つに公共事業が盛り込まれたことについて、「経済を浮揚させようという本気度が出てきている。経済対策として(公共事業の)効果が明確に入ったことには同感する」と評価した。その上で、「経済浮揚につながり、相乗効果が出ると期待している」と景気刺激の効果に強い期待感を表明した。
 
 
 中村会長は、現在の経済情勢について、「日本全体の景気を見ると、投資マインドや経済状況は良い方向に行っていない」との見方を示し、「今、てこ入れをしなければしようがない」と述べ、早急な景気対策が不可欠との考えを強調した。
 
 
 公共事業を進めるに当たって、真に必要な事業を決める評価基準の重要性にも言及し、「例えば、ダムが自然を傷つけるから広域護岸をやるとなった時に、治山治水のためだからと(住民は)納得して立ち退くのか。そうしたひずみの整合性を取るのが評価基準になる」と指摘した。さらに、「党も政府も有識者も出るような委員会をつくり、公共事業を一個一個フィルターにかければ良いのではないか」と提案した。
 
 
 大田弘副会長は、公共事業の削減が続く中で、ダンピング入札などが依然発生しているとの認識を示した上で、「大きな流れからすれば、コスト競争力のあるところは低価格でもチャレンジできる力があり、歯が立たない会社はその分野からは引き下がるという調整を、粛々と行っている段階だと思う」と述べた。

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