2010/10/02 国交省/技術評価点算定方式を大幅見直し/11・12年度競争参加資格審査

【建設工業新聞 10月 1日 記事掲載】

 国土交通省は、11・12年度同省直轄工事への競争参加資格審査で、技術評価点(主観点数)の算定方式を大幅に見直す。技術力と経営力をこれまで以上にバランス良く評価するため、工事規模の算定に新たに「平方根処理」を採用。過度の変動を抑え、工事成績よりも受注件数や入札参加件数で高い評価を得ることがないようにする。「総合評価方式への参加実績」の評価対象に簡易型を追加し、中小業者に配慮するほか、自治体工事の受注実績の評価係数も引き上げることで、直轄工事への新規参入をさらに促す。
 
 
 技術評価点の算定方式見直しは、9月30日に開かれた「国土交通省直轄事業における公共事業の品質確保の促進に関する懇談会」の企業評価検討部会(部会長・高野伸栄北大大学院准教授)で提示された。工事規模の算出には対数値(LOG)を用いてきたが、同省の分析では、技術評価点を分散させる効果はあるものの、工事成績よりも受注件数や入札参加件数で高い評価を得る傾向が見られた。一般土木A等級では大手・準大手ゼネコンが低く評価される傾向も見受けられ、新たに平方根処理を導入することにした。立方根処理とも比較検討した結果、技術評価点に与える影響や、工事規模と工事金額との相関関係、上位10社の変動状況などを総合的に勘案し、技術力と経営力を最も適切なバランスで評価できると判断した。
 
 
 「総合評価方式への参加実績」の見直しでは、受注はしていなくても、総合評価方式の入札に多く参加しているだけで高評価を得る企業もあったことから、新たに評価係数を0・5と設定。評価の重みを従来の半分とすることで、直轄工事の受注実績に与える影響を適正化する一方、中小業者への配慮として評価対象に簡易型を追加することにした。総合評価方式への参加実績は高度技術提案型と標準型だけが評価対象だったが、簡易型を加えることで特にC、D等級企業にメリットが期待できそうだ。
 
 
 新規参入促進の観点から自治体工事の実績も考慮してきたが、9・10年度の資格審査ではあまり変化がなく、等級変動が生じた企業は全体の0・4%に過ぎなかったため、自治体工事実績の評価ウエートを現行の0・1から0・5へと5倍に高めるとともに、自治体の工事成績評価を4年分(現行は2年分)加算することにした。

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