2010/07/13 参院選結果受け建設業界コメント/衆参ねじれ、政策の停滞を懸念

【建設工業新聞 7月 13日 記事掲載】

 昨年の政権交代後初の本格的な国政選挙となった11日の第22回参院選は、民主党の獲得議席が44、国民新党がゼロで、合わせても56議席に届かず、非改選を含めても過半数の122議席を大きく割り込んで与党が大敗、自民党が復調し、みんなの党が躍進するという結果に終わった。菅直人首相の消費税率の引き上げに関する発言が与党の敗因との声がある一方、民主党のマニフェストに基づく政策に有権者から「NO」を突き付けられたとの見方も出ている。一夜明けた12日、選挙結果に建設業界からもさまざまな意見やコメントが寄せられた。
 
 
 建設業界では、日本建設業団体連合会(日建連、野村哲也会長)をはじめ主要4団体の会長が相次ぎコメントを発表したが、共通する懸念として挙がったのは、景気低迷が続く中で、衆参両院で多数派が異なる国会運営の「ねじれ」による政策の停滞だ。これに関連して業界関係者からは、「これまでのようには法案が国会を通らなくなり、政府が大きな政策・事業を打ち出しにくくなるのではないか」と懸念する声も聞かれた。
 
 
 「政府・与党は、より機動的・積極的な経済運営を推進し、自律的な景気回復を一刻も早く実現していただきたい」。日建連の野村会長は12日、このような談話を発表した。内需拡大を柱とした景気回復に期待を寄せるのは、日本土木工業協会(土工協)の中村満義会長も同じだ。「社会基盤整備については、わが国の将来を見据えた視点での議論の中から、真に必要なインフラを明示し、それらが計画的かつ速やかに整備されるよう期待したい」とコメントした。同様に建築業協会(BCS)の山内隆司会長も選挙結果を受けて、「環境・安全などに対する建築技術の有用性と、国民生活の根幹である衣・食・住を担う建築業界はすそ野が広く、その活性化は景気高揚に効果が大きい」とあらためて強調した。
 
 
 全国建設業協会(全建)の淺沼健一会長は、今回の選挙結果について、「国民の民意の表れと受け止めている」とした上で、全建として推薦状を出した自民党の脇雅史氏が再選を果たした点にも言及。「今後、国会においても、安全で安心な国土を確保するための社会資本整備の重要性と、それを担う建設業の役割が国民、社会に正しく理解される議論が深まることを期待している」とのコメントを公表した。

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