2010/06/28 10年度建設投資見通し/3・5%減40・7兆円、33年ぶり低水準/国交省

【建設工業新聞 6月28日 記事掲載】

 国土交通省は25日、10年度の建設投資見通しを発表した。それによると、総投資額は前年度比3・5%減の40兆7000億円にとどまり、1977年度(38兆7986億円)以来の低水準に落ち込むと予想している。総投資額のうち、政府投資は国の大型直轄事業見直しなどの影響で18・6%減の13兆7600億円となり、60年の調査開始から最大の下げ幅を記録。一方、民間投資は景気低迷による投資環境の厳しさが和らぎ、6・6%増の26兆9400億円と増加に転じる見通しだ。国交省は「本年度は何とか40兆円割れを回避できそうだ」(総合政策局)としているが、民需回復の動きにまだ十分な勢いはなく、先行きの不透明感は払しょくし切れていない状況にある。
 
 
 10年度の建設投資総額の建築・土木別内訳は、建築が24兆7100億円(前年度比3・9%増)、土木が15兆9900億円(13・0%減)で、建築投資のうち住宅は14兆8000億円(3・4%増)、非住宅は9兆9100億円(4・5%増)と予測している。
 
 
 10年度の民間住宅の着工戸数は、経済対策の効果に加え、資金調達や所得環境の悪化が底を打ったとみて、一定の回復が期待できると分析。非住宅についても、景気全体の持ち直しにより、企業の設備投資の動きが徐々に活発化するとみている。
 
 
 土木については、国の10年度公共事業費の大幅削減に加え、09年度には補正予算などのプラス効果があったことへの反動もあり、公共事業を中心とする政府投資が17・6%の大幅減となる。一方で、民間土木は4・5%増と好転する見通しだ。

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