2010/06/23 国交省/社会資本整備5カ年計画を前倒し改定へ/社整審部会、7月から議論開始

【建設工業新聞 6月23日 記事掲載】

 国土交通省は、インフラ整備の方向性や政策目標など示す「社会資本整備重点計画」を前倒しで見直す。現行計画は08年度に始まった5カ年の計画だが、昨年9月の政権交代によって、前の自公政権下での国土交通政策が大きく転換されたことから、現政権の方針を踏まえた形に計画を抜本的に見直すことを決めた。社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)の計画部会で7月から具体的な見直し議論に入る。
 
 
 民主党は、昨年8月の衆院選で「コンクリートから人へ」と政策理念をマニフェスト(政権公約)に掲げ、公共事業費の大幅削減や従来のインフラ政策の転換を打ち出した。政権交代で就任した前原誠司国交相もこの方針に基づき、10年度予算では国交省の公共事業関係費の15%削減したのをはじめ、「できるだけダムに頼らない治水」や「高速道路整備のあり方に関する検討」「港湾整備の選択と集中」など各事業分野で政策の抜本的な見直し作業を進めている。
 
 
 7月からの社整審計画部会では、前原国交相をはじめとする政務三役主導で検討が進められてきた高速道路整備のあり方や今後の治水対策の見直し、整備新幹線の新規着工、空港整備のあり方などの計画への反映が議論されることになりそうだ。社整審での検討期間や新たな計画の取りまとめ時期などは今後詰める。
 
 
 現行の計画は08~12年度が対象で、5カ年で実現する社会資本整備の目標を道路や河川、空港など事業分野別に作成した九つの事業計画を集約してまとめている。

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