2010/04/13 国交省/自治体にも総合評価方式の改善要請/提案の採否通知や実績要件緩和


【建設工業新聞 4月13日 記事掲載】

  国土交通省は、総合評価方式の入札について、手続きの透明性向上や競争促進ための改善策を講じるよう求める通達(9日付)を都道府県と政令指定都市に出した。技術提案の採否に関する入札参加企業への通知や、難易度の低い工事での入札参加資格要件の緩和策など、同省が先に発表している対策を示し、各自治体の発注工事の入札でも改善に向けた取り組みを一層推進するよう要請している。
  総合評価落札方式の改善については、前原誠司国交相が3月5日に、技術評価の透明性向上と企業の技術競争促進を目的に国交省として講じる対策を発表している。主な取り組みは、▽入札に参加した企業に対する技術提案項目ごとの具体的な評価内容の通知▽各地方整備局への評価内容の問い合わせ窓口の設置▽難易度の低い工事の入札参加資格要件には工事量に関する実績を設定せず、工事の種類に関する実績を求める-の3点。
  同省は、工事を発注する各地方整備局などに、3月29日付で「一般競争入札等の競争参加資格における施工実績にかかわる要件を緩和する工事の試行」、4月9日付で「総合評価落札方式における技術提案の採否に関する詳細な通知の実施」の二つの通達を出した。都道府県・政令市への通達は、これらの対策を参考に改善策に取り組むよう総合政策局建設業課長名で要請。政令市以外の市町村に対しても、都道府県を通じて周知を図るよう求めた。
  同省は、技術提案の採否に関する入札参加企業への通知は競争参加資格確認の通知と併せて行い、企業からの問い合わせなどは採否通知後と落札者決定後の二つの段階で行えるようにした。入札参加資格の施工実績要件の緩和については、地方整備局長や事務所長が工事難易度が低いと認める工事で実施。工事の量に関する実績を条件から外すことで実績が少ない企業に門戸を広げる一方、量の実績は技術評価の段階でプラス評価する仕組みとした。

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