2010/4/9 建設業倒産、09年度は9898件/4年ぶり減少/東京商工リサーチ

【建設工業新聞 4月9日 記事掲載】

 東京商工リサーチが8日発表した09年度の建設業の倒産(負債額1000万円以上)は3898件(前年度比14・1%減)で、4年ぶりに前年度を下回った。倒産件数が4000件を割ったのは3年ぶり。負債総額も7235億8200万円(48・2%減)と前年度の半分に減り、1兆円(前年度1兆3984億円)を割った。上場企業の倒産がなく、負債100億円以上の大型倒産も4件と前年度(17件)を大きく下回ったことが全体の件数と負債の減少につながった。


 同社は、09年度は中小企業向けの資金繰り支援策である景気対応緊急保証制度や、公共工事の前倒し発注などの政策効果によって、全国的に倒産件数が減少したとみている。都道府県別でみても、38道府県で倒産件数が前年度を下回った。ただ、倒産の減少は景気の自律的な回復によるものではなく、公共事業の削減と、資源高による建設用鋼材の値上げで建築需要の回復の遅れが懸念されるとして、「いつまでこの政策効果が持続できるのか、今後の動向を注視する必要がある」と分析している。


 09年度の業種別の倒産件数は、総合工事業が2099件(24・9%減)で全体の半分を占めた。職別工事業は1164件(8・3%増)、設備工事業は635件(5・0%減)となった。原因別では、「受注不振・販売不振」が2751件(6・9%減)と7割強を占めた。倒産企業を資本金階層別に分けると、1000万円以上5000万円未満が1792件(23・7%減)、100万円以上500万円未満が949件(4・1%減)などとなっている。


 一方、データバンクが同日発表した09年度の建設業倒産は3325件(6・5%減)だった。公共事業の前倒し発注の効果が浸透し、09年7~10年2月の8カ月連続で倒産件数が前年割れとなるなど減少傾向が続き、年間ベースでも倒産件数の減少につながった。

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