2010/4/5 全建傘下の都道府県協/公益法人改革、一般社団軸に検討進む/3団体が機関決定

【建設工業新聞 4月5日 記事掲載】

 全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)は、傘下の都道府県建設業協会を対象に行った公益法人改革への対応に関するアンケート結果をまとめた。岩手、岐阜、佐賀の各県協会が一般社団法人への移行を機関決定済みで、中でも岐阜県建設業協会での検討が先行していることが分かった。


 このほか、北海道建設業協会が10年度の事業計画に一般社団法人化を盛り込んでおり、計18団体が一般社団法人への移行を視野に入れている。公益社団法人と一般社団法人の両にらみとしているケースも25団体と多いが、公益社団法人は認定時のハードルが高い上に、認定後の課題もあることから、多くは一般社団法人を軸に検討を進めているようだ。


 調査結果によると、一般社団法人への移行を検討している都道府県協会は、▽北海道▽青森▽岩手▽宮城▽秋田▽山形▽福島▽岐阜▽三重▽和歌山▽鳥取▽島根▽香川▽佐賀▽長崎▽熊本▽大分▽宮崎-だった。千葉、東京、京都、徳島の4都府県協会では、公益社団法人を視野に入れているが、検討の初期段階としているケースもあり、明確な意思決定までには、なお時間がかかりそうだ。


 全建は、公益社団法人への移行を目指しており、事業内容を分析・試算したところ、公益目的事業費率は6割程度で、必要となる50%を上回る結果となった。ただし、先行事例の認定結果をみると、調査研究や普及啓発事業が会員各社や業界関係者への利益にとどまると判断されているケースもあるため、さらに検討を続ける。公益社団法人の場合は、会員企業向けの共益事業が制限され、認定後も基準に適合していなければ認定が取り消されるといったリスクもある。公益社団法人を目指す方針は変わっていないが、課題が多いことも鮮明になってきている。

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