2010/3/29 小規模工事に事後審査方式を/民主・平智之衆院議員が提案
【建設工業新聞 3月29日 記事掲載】
民主党の平智之衆院議員は26日の国土交通政策会議の分科会で、地元業者向け小規模工事に「事後審査型」の入札契約方式を導入するよう提案した。総合評価落札方式の導入で、建設会社は数十回に1回しか落札できなくても、多くの積算や提案資料を作成せざるを得ない。このため小規模工事については、価格競争で落札候補者を選んだ上で、配置予定技術者に対する事後審査で落札者を決定する方式を検討するよう国交省に求めた。
平氏は、総合評価方式の拡大で地域の建設会社が入札に苦心している現状を説明。落札率が85%を超えると良くないイメージを持たれる一方で、多くの自治体が低入札価格調査の基準額などを引き上げ、入札価格帯が狭まっているとして、「良いものを適正な価格で調達する」という原点に戻るべきだと主張した。その上で、「大規模工事は総合評価方式でも構わないが、小規模工事には事後審査型方式を導入してはどうか」と指摘。ボンド制度を活用して企業の財務状況を把握するなど欠格要件を確認しながら価格競争で落札候補者を選定し、事後審査で落札者を決定する方式を提案した。
事後審査では配置予定技術者にヒアリングを行って施工実績などを確認。積算資料や施工計画書、施工体系図についても説明を求める。技術者を基準に品質を確保できる施工能力を担保するとともに、応札価格で本当に施工できるかどうかを確かめられるのが特徴だ。問題があれば2番札の建設会社の審査に移る。
平氏は、落札できる確率が低いにもかかわらず、入札手続きに過大な力を注がざるを得ない現状に疑問を呈し、入札後に審査を行う方式を採用すれば、受・発注者双方の負担が軽減できるとみている。ただ、配置予定技術者へのヒアリングで施工能力や積算の妥当性を判断するには「発注者にも高い能力が要求される」と指摘している。
日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら