2010/03/09 国交省/総合評価方式改善策/加算点の配点標準化、工事成績・表彰を必須項目に
【建設工業新聞 3月9日 記事掲載】
国土交通省は、直轄工事の総合評価落札方式の改善策をまとめた。改善策は8項目で、技術提案、施工能力、地域精通度・貢献度をバランスよく評価するための技術評価点(加算点)の標準化、施工能力評価での企業の工事成績・表彰の必須項目化、施工体制評価点の見直し(3段階から4段階の評価へ)などが柱。国交省は10年度に可能なものから実施に移すとともに、「公共工事における総合評価方式活用ガイドライン」も改善案に沿って見直す考えだ。
改善案は、前原誠司国交相が5日に発表した技術提案の評価結果の通知、問い合わせ窓口の設置、入札参加資格要件での実績要件の見直しの3項目に、▽技術評価点(加算点)の配点方針▽技術提案の評価方法(標準案)▽施工能力の評価方法(同)▽地域精通度、貢献度の評価方法(同)▽施工体制確認型総合評価落札方式の見直し-の5項目を追加。8日に開かれた「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」(座長・小沢一雅東大教授)に示された。
技術評価の配点方針では、工事の内容による技術評価の余地、価格競争とのバランスを総合的に勘案して配点するとし、標準的な加算点(標準II型とI型)を50~70点に設定した。実際に各工事で加算点を算出する際の考え方として、工事費の構成割合から標準点(100点)と加算点の割合を検討する方法と、低入札価格調査の基準価格(予定価格の70~90%の範囲内)から標準点と加算点の割合を整理する方法の2通りを提示した。
加算点の具体的な標準配点案では、技術評価の主要項目である技術提案、施工能力、地域精通度・貢献度の3項目を総合的に評価することを基本に、標準II型は50~60点、標準I型は60~70点、高度技術型は50点(施工体制確認型の場合は70点)、簡易型は30~40点に設定した。技術提案の指定テーマの数は受発注者の事務の効率化を図るため、簡易型が1件、標準II型が1~2件、標準I型が2~3件程度を原則とした。提案の記述量については、指定テーマ1件当たりA4用紙1~2枚程度とした。施工能力の評価では提案企業の工事成績と表彰、地域精通度・貢献度の評価では企業の災害活動の実態をそれぞれ必須項目とした。
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