2010/2/19 全国知事会PT/国出先業務の地方移管で中間報告骨子/直轄国道・河川は地方に

【建設工業新聞 2月19日 記事掲載】

 全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)の「国の出先機関原則廃止プロジェクトチーム(PT)」(リーダー・上田清司埼玉県知事)は18日に東京都内で会合を開き、国土交通省の地方整備局など8府省17機関が行っている事務のうち、地方に移管すべき業務を盛り込んだ中間報告(骨子)をまとめた。地方整備局、北海道開発局と沖縄総合事務局の事務のうち、道路事業は高規格幹線道路を除く国道を地方に移管。河川事業は整備・維持管理の事務をすべて地方に移管するよう求めている。


 骨子では、現行の地方整備局の事務のうち、国は空港などの土木整備と庁舎営繕などを担当し、それ以外の直轄国道や直轄河川、国営公園などは地方移管という方向性を提示した。PTは3月末に中間報告をまとめ、政府の地域主権戦略会議に提出。地域主権戦略会議が7月にまとめる「出先機関原則廃止に向けた基本的な考え方」に内容を反映させるよう求める。


 直轄国道については、地方の産業道路、生活道路として地域密着性が高いと指摘。全国規模のネットワークである高規格幹線道路(高速自動車道、一般国道のうち自動車専用道路)は国がそのまま手掛け、その他の道路事業はすべて地方に移管するよう求めた。これまで課題とされてきた広域にまたがる道路事業や大規模災害時の対応については、自治体が連携して実施するとした。河川については、住民を災害から守り、住民の生活用水や産業用水を安定的に確保・供給するのは地方自治体の役割だと主張。直轄の1級河川109水系(総延長1万0581キロ)の整備・維持管理の事務すべてを地方に移管するよう要請。複数の都府県にまたがる河川は地方が連携して管理(治水、利水の調整など)を実施するとした。


 北海道開発局と沖縄総合事務局の道路、河川事務も、地方整備局の事務に準じて地方に移管すべきだとした。農林水産省の地方農政局の事務のうち、国に残すべき事務は災害対策など4事務に限定。地方航空局の事務は原則として国に残すが、国が管理する20空港の整備管理については特定地方管理空港に移す道筋を残すとした。国の業務の地方移管に伴う人員の削減幅については地方への移管業務を決めてから協議する。

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