2010/2/17 基幹技能者の活用促進を/09年度内に10都道府県へ要望/推進協議会

【建設工業新聞 2月17日 記事掲載】

 「基幹技能者制度推進協議会」(向井敏雄会長、事務局・建設業振興基金)は、登録基幹技能者制度の活用促進へ向け、地方自治体に対する要望活動を開始した。登録基幹技能者制度をPRするとともに、総合評価方式の入札での加点評価や、資格者の現場常駐化などを求めていく。


 本年度中に10都道府県に対して要望を行う方針で、初弾として、今月10日に愛知県に要望活動を実施した。同協議会が地方自治体に要望活動を行うのは初めて。基幹技能者制度をめぐっては、長崎県が総合評価方式での加点評価を始めており、先進事例を紹介しながら、入札契約制度への反映などを促していく考えだ。基幹技能者は、施工や職長経験が豊富な熟練技能者を対象とした資格制度。当初は任意の制度だったが、08年4月からは、国土交通相の登録を取得した機関(登録機関)が行う講習の修了者を「登録基幹技能者」と位置付け、経営事項審査での加点評価も行われている。


 対象は、25職種(32団体)で、登録基幹技能者数は1万5086人(昨年9月30日時点)となっている。登録基幹技能者の数は順調に増えてきているが、発注者などの認知は十分とはいえない状況で、制度の周知と積極活用が課題となっている。こうした現状を踏まえ、協議会は都道府県の発注部局に対し、PRを含めた要望を行うことにした。


 本年度の要望先は、▽北海道▽宮城▽東京▽新潟▽愛知▽大阪▽広島▽香川▽福岡▽沖縄-の各都道府県。各地域の状況に応じ、協議会の構成団体の支部などが要望活動に参加する。愛知県に要望した際には、建設産業専門団体中部地区連合会をはじめ、日本塗装工業会、日本電設工業協会、全国コンクリートカッター工事業協同組合、全国圧接業協同組合連合会、日本造園建設業協会などの支部から担当者が出席した。協議会は、23日に次回会合を開く予定で、本年度の取り組み状況などを議論。要望活動についても報告される予定だ。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る