2010/1/29 日建連会員09年受注、3割減/29年ぶり10兆円割れ/減少幅は過去最大

【建設工業新聞 1月29日 記事掲載】

 日本建設業団体連合会(日建連、野村哲也会長)が28日発表した会員企業49社の09年(1~12月)の受注総額は前年比29・1%減の9兆2840億円と、29年ぶりに10兆円の大台を割り込んだ。景気悪化で国内受注は民間工事が33・7%減の6兆3010億円と低迷。不動産業からの受注が約1兆5000億円減り、家電や自動車など機械3業種からの受注も約7000億円減った。ここ数年好調だった海外受注も前年を約4600億円下回った。


 国内受注は27・4%減の8兆8660億円。民間工事の内訳は、製造業からの受注が1兆1330億円(前年比46・1%減)、非製造業からの受注が5兆1670億円(30・1%減)だった。製造業では、世界的な景気低迷で設備投資に急ブレーキがかかった電気機械、輸送用機械などの業種からの受注が低迷。電気機械が52・0%減、輸送用機械が74・2%減、その他機械が75・1%減と軒並み激減した。非製造業では、不動産業からの受注が49・4%減とほぼ半減。非製造業からの受注の減少分2兆2000億円のうち約7割を不動産業が占めた。


 官公庁工事の受注は7・2%減の2兆4930億円。発注機関別では、国6・7%増、独立行政法人8・4%減、政府関連企業29・7%減、都道府県20・3%減、市区町村4・1%増、地方公営17・1%増だった。海外受注は52・3%減の4180億円。内訳は建築1810億円(50・1%減)、土木2370億円(53・9%減)となった。


 会員企業の受注総額は1980年に9兆8190億円となって以降、10兆円を超える水準で推移。ピーク時の91年には26兆4210億円(59社)に達した。バブル崩壊後、93年に記録した18・1%減が最大の減少幅だったが、09年はこれを11ポイントも上回る結果となった。マンション不況を背景にした不動産業からの受注低迷に、民間設備投資の落ち込みが加わり、好調だった海外工事も半減。景気の先行きが不透明な中、鳩山政権は公共事業削減も加速させており、10年も厳しい受注環境が続きそうだ。

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