2010/1/14 建設業倒産、09年は4087件/4年ぶりマイナス/東京商工リサーチ

【建設工業新聞 1月14日 記事掲載】

 東京商工リサーチが13日発表した09年(1~12月)の企業倒産(負債1000万円以上)集計によると、建設業の倒産は4087件(前年比8・5%減)と4年ぶりに前年を下回った。負債総額は9135億円(28・4%減)と3年ぶりのマイナス。景気対策として過去最高水準となる公共工事の前倒し発注が行われたことや、緊急保証制度などの政策効果で3月以降、月次ベースで前年同月を下回って推移した。ただ、民需を中心とした企業業績の向上は伴っていないことから、景気対策効果が切れれば倒産が再び増勢に転じる可能性もあり、同社は「先行きは決して楽観できない」としている。


 業種別の倒産件数は、総合工事業2315件(14・9%減)、職別工事業1130件(5・4%増)、設備工事業642件(4・4%減)。「受注(販売)不振」が原因とした倒産が全体の68%に当たる2788件(4・0%減)を占めたのをはじめ、「赤字累積」による倒産が524件(6・9%減)、「運転資金の欠乏」による倒産が319件(6・1%減)、「他社倒産の余波」による倒産が185件(32・2%減)と続いている。


 負債規模別の倒産件数は10億円以上が135件(18・1%減)、5億円以上10億円未満が181件(28・7%減)、1億円以上5億円未満が1330件(9・6%減)、5000万円以上1億円未満が788件(18・2%減)。負債100億円を超す大型倒産は前年の半分以下の8件に減少、上場企業の倒産もあおみ建設の1件にとどまるなど規模の大きな倒産は減ったが、1000万円以上5000万円未満の倒産だけは1653件(2・4%増)と小規模倒産は増えている。


 地域別では、関東と中部を除く7地区が前年より減少した。減少率でみると、中国の30・3%を筆頭に、北海道の29・8%、九州の27・4%など地方での減少ぶりが目立った。帝国データバンクが同日発表した09年の企業倒産(負債1000万円以上の法的整理)集計によると、建設業の倒産は3441件(0・1%減)と前年とほぼ横ばいの水準だった。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る