2010/1/6 前原誠司国交相に聞く/「有言実行」で改革推進/国交省が日本経済引っ張る

【建設工業新聞 1月4日 記事掲載】

 前原誠司国土交通相は、日刊建設工業新聞など建設専門紙各社の新年インタビューに応じ、今年の国土交通施策の重点方針について語った。この中で前原国交相は「有言実行をテーマに、就任後から打ち出した各種施策を実行に移す」と述べ、国際競争力の強化と内需主導による経済回復の視点から施策を積極的に展開する考えを表明。施策の柱には、▽観光振興策の推進▽空港・港湾整備への重点投資▽ゼネコンの海外進出▽PPP(官民共同)手法を活用した住宅・不動産市場の活性化-の4点を挙げ、「国交省が打ち出すこれらの施策が日本経済をけん引する形にしたい」と意気込みを示した。

 前原国交相は「今年のテーマは有言実行だ。大臣就任からこれまでの100日余でさまざまに打ち出してきた施策をいかに実現するかに重きを置きたい。特に日本の成長戦略を重視し、経済、景気に目配りした国土交通行政を行うことに尽きる」と今年の展望を語った。

 その上で「民主党が掲げる『コンクリートから人へ』のスローガンの下で予算配分を変えることになると、公共投資は抑制基調で推移する」と現状を説明。「財政出動を伴うことがない景気対策に力を入れる」と述べ、公共事業に頼らない成長戦略の重要性を重ねて示した。注力する具体的な施策には「観光振興や空港・港湾力の強化、建設企業の海外進出、インフラ整備へのPPPの導入、住宅・不動産市況の活性化」を挙げ、「国交省の講じる施策が日本経済を引っ張る形にしたい」と強調した。

 さらに11年度予算の編成に向け、「社会資本整備特別会計空港整備勘定を含む特別会計や港湾使用料の見直しなどを手掛ける」との考えを示し、「国際競争に勝てる環境をつくり、荷物と人を日本に取り戻す。目先の金を削る近視眼的な取り組みに終始せず、将来のリターンにつながる視点で11年度予算編成に当たりたい」と改革に向けた基本姿勢を示した。

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